苫米地式コーチング認定コーチ
香川浩光 公式サイト

ブログ

スーパースターが極限の状態でも最高のプレーが出来る理由とは?【コーチング】

コンフォートゾーン

苫米地式コーチング認定コーチの香川です。

世の中には、普通の人なら怖気づいてしまったり、緊張して頭が真っ白になってしまう瞬間でも、平然とそして、いとも簡単に成し遂げてしまう人がいます。周りの人は、メンタルが強いとか、運が良かっただけとか思っているでしょう。今回は、そのような人達ををコーチングの観点から見てみましょう。

今回も、バスケットボールの神様、マイケル・ジョーダンを例にします。前回のマイケル・ジョーダンの記事をまだ読んでいない方は、こちらをご覧ください。

1997-98シーズンのNBAファイナル。ファイナルとは、シーズンの成績上位16チームが優勝をかけて戦うトーナメントの決勝戦。7試合で4勝先取した方が優勝。対戦カードは、シカゴ・ブルズVSユタ・ジャズ。前年のファイナルと同じ顔合わせ。前年はシカゴ・ブルズが優勝。ユタ・ジャズにとっては雪辱のチャンス。

舞台は、シカゴ・ブルズが王手をかけた第6戦。この試合に勝てば、シカゴ・ブルズが6回目の優勝と2度目の3連覇が決定。全米だけでなく、世界中の注目が集まる中、試合開始。

シカゴ・ブルズは、主力のピッペンが腰痛で思うようにプレー出来ず、開始早々にロッカールームに引き上げる事態に。ジャズにとっては絶好のチャンス。しかし、そうはさせまいと、ジョーダンが立ちはだかる。前半は、ほぼ互角。

しかし、前半飛ばし過ぎたジョーダンが後半に入って失速。コートに戻ってきたピッペンも本来の調子が出ない。シカゴ・ブルズの調子が上がらないうちに、得点を稼ぎたいユタ・ジャズだが、思うようにプレー出来ない。これが、ファイナルの重圧なのか、と思わせるような混沌とした時間が過ぎる。

コンフォートゾーン

そして、息詰まる攻防が続く中、83-83で並んだまま残り1分を切る。この土壇場で、ユタ・ジャズのエース、ストックトンが3点を見事に決め、勝利を大きく引き寄せる。ユタ・ジャズのホームであるデルタ・センターのボルテージは最高潮に。ユタ・ジャズのファンは、ファイナル7戦での最終決着を確信。

残り40秒。しかもファイナル。この3点差は非常に苦しい状況。逆転は簡単ではない。シカゴ・ブルズの選手もファンも誰もが、この決定的な状況に勝利を諦めた。ただ、一人の選手を除いて。

そう、マイケル・ジョーダンが、残り40秒を完全に支配する。まず、マークする相手選手をかわしレイアップを決め1点差。その後の、ユタ・ジャズのオフェンス中にスティール。すぐさまボールを奪いオフェンスを展開。

残り15秒で1点差、シカゴ・ブルズのオフェンス。ボールを持っているのはマイケル・ジョーダン。周りの選手達が離れる。マイケル・ジョーダンの1on1に全てを賭ける作戦。決めればシカゴ・ブルズ6度目の優勝。外せば、第7戦にもつれこむ。全世界が見守る中、最高の舞台が整った。

マイケル・ジョーダンが、態勢を下げられる限界まで低くし、ゴールに突進。しかし、急ブレーキをかける。マークしていた選手が付いてこれず、態勢を崩す。その瞬間、マイケル・ジョーダンがフリーに。訪れた千載一遇のチャンス。百戦錬磨のジョーダンが見逃すはずがない。迷わず、シュート態勢に入る。マイケル・ジョーダンが放ったシュートは綺麗な放物線を描き、静かにゴールネットを揺らした。見事な逆転劇。

そして、1点差を守り切り、シカゴ・ブルズが6度目の優勝と2度目の3連覇という快挙を成し遂げた。下の画像は、その”ラストショット”と呼ばれる伝説のシュート。

コンフォートゾーン

この試合が、ファイナルではなく、シーズンの試合ならこういう展開にならなかったでしょう。試合終了間際でボールを奪われることもなければ、態勢を崩さずにしっかりマークして、得点させない。

でも、ファイナルという特殊で、選手生活の中で1回経験出来るかどうかの、更に世界中から注目されるとなると、普段のパフォーマンスが発揮出来ない選手がほとんどでしょう。

しかし、マイケル・ジョーダンの様に普段と変わらないパフォーマンスを発揮する選手もいる。その違いは何か。

それは、その状況がコンフォートゾーンか、そうでないかの違いだけです。ファイナルの試合序盤ならどうにかなるでしょう。しかし、全てが決まってしまう残り40秒となると話は別です。みんなボールを触りたくもないでしょう。もし、ミスしてしまえば、チームの1年間の全てが無駄になってしまう。更に全世界が注目している。正に極限の40秒。

しかし、マイケル・ジョーダンにとって、極限の状況である残りの40秒は、コンフォートゾーンなのです。緊張もしなければ、焦りもしない。シーズンの試合と特に変わらない日常。”俺にボールを回せ、必ず決める” 本気でそう思っていたでしょう。そして、実際に決める。凄いですね。

相手選手が、頭が真っ白になっている状態の中、マイケル・ジョーダンは普段と変わらずにプレーしていただけ。これが、極限の状態でもパフォーマンスを発揮できる理由です。

マイケル・ジョーダンのコンフォートゾーンから生まれた、誰もが予想も想像も出来ない逆転劇は、やがて伝説となり、一生色あせることなく、燦然と輝き続ける事でしょう。

パフォーマンスを発揮できない状況があるなら、自ら意図的にマインドを使って、コンフォートゾーンにすることが出来ます。そうすれば、望んだパフォーマンスはいとも簡単に発揮できます。正しくマインドを使いましょう。

その科学的で汎用性がある方法論は明確に存在します。

 

苫米地式コーチングの中に。