スーパースターのエフィカシー 【アスリート編】
苫米地式コーチング認定コーチの香川浩光です。
今回は、マイケルジョーダンについてのお話です。ご存じNBA(アメリカプロバスケットリーグ)の元スーパースター。所属していたシカゴ・ブルズは世界的に有名になりました。バスケットの神様とか滞空時間が長いことからエアージョーダンと呼ばれていますね。
漫画スラムダンクの流川楓のモデルになったアスリートです。ナイキから発売されているエアージョーダンモデルは今でも人気です。
15年間の選手生活で得点王10回、平均得点は30.12点、通算得点は歴代5位。シカゴ・ブルズを6度の優勝に導き、5度のシーズンMVP。また、2度にわたりオリンピック金メダルを獲得しました。背番号23は永久欠番。バスケットボールの殿堂入りを果たしました。
高校の担任の先生が、学生時代バスケットボールの日本代表としてアメリカに遠征したそうです。その時、当時のアメリカの関係者が粋なプレゼントをしてくれたと言っていました。それは、マイケルジョーダンの試合をシカゴで観戦出来るというものだったそうです。席は、最上階の一番後ろ。それでも、近くのアメリカ人に幸運だ、と言われたそうです。理由は、シカゴ・ブルズのチケットは、一世代待たないと取れないから、と言われたそうです。もはやプレミアチケットどころではないですね。
そんな彼が、アスリートとして人気、実力、共に絶頂の1993年に突然、引退を表明します。全世界に激震が走りました。なぜ?誰もがそう思ったことでしょう。もちろん当時の私もです。
彼の引退の理由は、メジャーリーグ(野球)に挑戦する為でした。理解出来るでしょうか?例えるなら、イチローがメジャーリーグの最多安打記録を更新した次の年に、突然、サッカーに転向する様なものです。常識では、あり得ませんよね。
しかし、本当にマイケルジョーダンは、メジャーリーグに挑戦します。世界的なスーパースターの方向転換に、全世界が疑問を呈しました。それどころか、冷ややかな視線を送ります。どうせ、直ぐにNBAに復帰するだろう、誰もがそう思ってたことでしょう。
しかし、マイケルジョーダンは動じません。本気でメジャーリーグでプレーする為に猛練習を始めます。NBAのスーパースターが、メジャーリーグのマイナーリーグ(2軍や3軍)でプレーする姿は衝撃的でした。
そして、連日の猛練習の成果が少しずつ出始めます。試合でホームランも打ちました。流石はトップアスリート。上達のスピードが違います。しかし、メジャーリーグに昇格する目前で、選手達がストライキを起こし、シーズンの公式試合が中止になります。目標を失ったマイケルジョーダンは、再びバスケットの世界に戻らざるを得なくなりました。マイケルジョーダンがメジャーリーグで活躍する姿を目にするのは、幻となりました。
ここで注目すべきは、稀代のスーパースターが持ち合わせている高すぎるエフィカシーですね。まず、バスケットのアスリートがメジャーリーグに挑戦しようとは思わないでしょう。もし、思ったとしても挑戦しません。しかし、エフィカシーが高いと挑戦します。挑戦できるのです。俺ならできる、そう本気で思っているから。
当時、アメリカでジョーダンがアスリートとして偉大か、そうでないかという議論が、スポーツ界で議論されていました。大半が、偉大ではない、と結論付けます。これは、間違っていると言わざるを得ません。
なぜなら、全世界の視線が自分に注目されることも、失笑されることも、分かっていながら、それでも誰も挑戦したことが無い、可能性が低い選択肢を自ら選び、挑戦すること自体、エフィカシーが高くないと出来ない行為だからです。エフィカシーの高さと現実を切り開く力、つまり、成し遂げる力は比例します。
世間から影響を受けない独立したマインドを持ち、高いゴールがあり、更にエフィカシーも高い。マインドの使い方でもお手本の様なアスリートでしたね。数え切れない栄光を勝ち取れるはずです。
アスリートとして、人間として、そのカッコ良い生き様は、私たちを常に鼓舞すると同時に、沢山の勇気を与えてくれました。最後は、数ある名言の中でも、私が一番好きな言葉で締めたいと思います。
挑戦せずに諦めることは出来ない
ー マイケル ジョーダン ー